【バイエルンが解任】ナーゲルスマン監督の斬新すぎる5つの戦術とは?

サッカーコラム
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35歳でビッグクラブバイエルンの監督に就任

2021年夏、

あるドイツの青年監督が

名門バイエルンへの監督就任を決めた。

その名はナーゲルスマン。就任時の年齢は33歳。

まだまだ現役選手としてできる年齢である。

現在35歳となるがそれでもビッグクラブの監督としては若すぎる。

20歳で腰椎(ようつい)膝の軟骨の損傷により

現役を引退することを余儀なくされたナーゲルスマン。

そこから指導者への道を歩んでいくことになるのだが

たったの8年でブンデスリーガのホッフェンハイムの監督に

28歳で就任。史上初の最年少監督としてブンデスデビューを飾った。

ただ残念なことに先日、今シーズン半ばで

バイエルンの監督解任のニュースがあり、

ナーゲルスマンは解任となった。

代わりにトーマス・トゥヘルが就任することに。

その異色すぎる監督キャリアを持つナーゲルスマンの戦術を

木崎伸也さんの著書である

「ナーゲルスマン流52の原則」から

私が気になった斬新すぎるナーゲスルマンの戦術を紹介していこうと思う。

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感想(2件)

 

攻撃は最小限の幅

ナーゲルスマンの攻撃の戦術はサイド攻撃を重んじる

日本のサッカーにはみられないかもしれない。

彼は守備時だけでなく、攻撃も選手全員に

中央に寄るように指示をだすことがある。

「幅いっぱいに立つのでなく、最上限の幅で立とう」

こうナーゲルスマンは指示をだす。

主な理由としては、味方選手が近い距離感でボールを動かせること

そしてボールロスト時にゲーゲンプレッシングをかけやすくなるため

即時奪回が可能な点である。

「サッカーのルールではゴールはピッチの中央にあると決められている」

ナーゲルスマンは合理的な性格をしているといえる。

ペナルティエリアの中に常に5、6人が入ってくるこの戦術はゴールが量産され

観客を魅了する一方で、レバンドフスキのような絶対的エースからは

「6人もいると相手も守備を固めてくる、ボールを受ける場所をみつけるのに苦労している」

と不満が漏れることもあり、問題点がないわけではない。

 

止めて蹴るの2タッチを心がける

現代サッカーではプレスが早く、

攻撃時はレベルの高いチームほどワンタッチプレーが多くなっている。

だがナーゲルスマンは時代と逆行するかのように

ある原則を求めている。

それが2タッチの原則だ。

「2タッチのほうが好きだ。なぜならダイレクトはミスになる確率が高い」

ナーゲルスマンはより早いプレーよりもミスが起こりにくい2タッチを

選手に指示しているのだ。

ただ早いパスと正確なトラップができる選手が必要であり、

2タッチとはいえ、ナーゲルスマンのチームで任務を遂行するにはレベルの高い選手でなければならない。

またダイレクトプレーを禁止しているわけでないので注意していいただきたい。

 

シュタイル・クラッチュ

一般にレイオフとよばれる、

前線にいる例えばCFが縦パスを受けて

後方にパスをだすのを

ドイツではシュタイル・クラッチュと呼ぶようだ。

ポストプレーが日本人に馴染みがあると思う。

代表的な選手で言えばベルギーのルカクや日本の大迫が

得意としているプレーである。

ナーゲルスマンはこのレイオフ、シュタイル・クラッチュをさらに進化させている。

ただ単に後ろへおとすのではなく、

角度を45度から120度にしているのだ。

それはまるで日本の香川真司が得意としているフリックに似ているかもしれない。

またシュタイル・クラッチュをしないというフェイントまで用意しており、

相手チームを混乱させている。

 

6番(ボランチ)はスローインしてはならない

日本ではボランチと呼ばれる、6番の選手。

DFとMFの間にいるような選手で攻守の舵取りを担うポジションである。

この6番にナーゲルスマンはある要求をしている。

「6番はスローインしてはいけない」

スローインとはボールがピッチの外に出た場合、1人の選手がボールを手に持ち、

フィールドの外から中の選手に渡すプレーのことをいう。

ナーゲルスマンはこのスローインの際、味方のフィールドプレイヤーが

必ず1人いなくなり、加えてボランチがスローインすると

DFラインの前にいないことになる。

それはボールを失ったときのリスクが増えるとして禁止にされているのだ。

また6番の選手の位置の横パスを禁止しており、

スローインと似て細かいが、

ナーゲルスマンは細部までこだわる監督なのである。

 

1対1なしのボール奪取

サッカーでは1対1のデュエルの勝率が最近データ化されており、

デュエルが強い選手はドイツでは重宝されている。

ブンデスリーガでデュエルキングとして名を馳せるのが

日本代表のMF遠藤航だろう。

そんなデュエルを実はナーゲルスマンはあまり好きではない。

「1体1の守備はランダム要素があり、判断を審判に委ねることになる。私が好むのは

組織全体でスライドし、相手ボール保持者にパスミスを強いる守備なんだ」

パスをインターセプトすることがナーゲルスマンが好む守備であり、

実現するには選手全員が周囲をみながら数的優位・不利の状況を認識しなければならない。

そしてこの守備の大きな利点としては体力の消耗を抑えれられるということだろう。

またパスを前向きにカットできるため、デュエルで奪った直後よりも効果的なカウンターができる。

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