高校サッカーをサッカー後進国のハイスクールと馬鹿にする異色の漫画
元日本代表の大久保嘉人も絶賛している漫画がマガジンで連載しているブルーロックである。
読んでみるとこれまたおもしろく、私が過去最高におもしろいと感じたアオアシとはまた違った面白さがある。
しかし…
結論から言うと、高校サッカーを愛して病まない方はこの漫画を
みないほうがいい。
冒頭から高校サッカーそのものを否定するからである。
さらに最近まで日本代表を引っ張てきた、香川や本田のことを
W杯優勝してないからカスと批判する、アンチ大歓迎のようなサッカー漫画だ。
だが高校生年代で伸び悩むという日本人選手の問題をついているというところは
私自身も共感しているし、
ストライカーを一か所に集めてサバイバルさせるという発想はかなりおもしろいと
感じた。
これから過去にはおそらくないであろう、異色すぎるサッカー漫画ブルーロックを
皆さんに紹介していこうと思う。
ゴールを決めるのに必要なのは方程式
ブルーロックはいかにゴールを決めるか?に焦点を置いた漫画であり、
主人公をはじめ登場人物にはなにかの大会で優勝するという目的はなく
ただひたすらブルーロックで己のゴール技術を磨いていく物語である。
お前らはまだ偶然の中で生きている
再現性のある成功の先にしか進化はない
ブルーロックより
これは漫画の登場人物絵心が主人公たちに言ったセリフである。
何が言いたいのかというと
ゴールを量産するためにはなぜゴールを奪えたか?を分析し
自分の中のゴールの方程式を持てということだ。
最初は絵心に反発していた主人公たちも、試合の中で成長し、
やがて失敗と成功を重ね、覚醒へと導かれていく。
日本の国民性についても語られる
日本人になぜ世界を代表するストライカーがいないのか?
その理由を漫画の登場人物絵心は
「日本人は役割を全うするのが得意な国民性。スポーツに置き換えると世界と対等に渡り合えるのが野球。明確にその役割を与えられ、自分の仕事に全力を注げばいいこのスポーツは日本人の特性にマッチ、故に強い。」
と語り、
「サッカーに必要なのは独力。日本人が世界に誇れるポジションはMFとSB。
決まり事を全うすることでストライカーの1を100にするこのポジションに優秀な選手が生まれるのは当然。この献身と犠牲心がなければ日本サッカーはここまで進化しなかった、故に革命は起きない。」
と続けている。
少し長くなったが、日本人のフォア・ザ・チームの精神はストライカー以外のポジションにはワールドクラスの選手が揃うが
ストライカーは皆無。
その理由を作者がこう説明しているのだ。
ここまではっきりと日本サッカーの問題の本質をセリフにした漫画はないのではないだろうか。
絵心甚八「バカなにわか日本代表ファンが日本国名レベルの天才に熱狂しチケット代に金を落とす」
作者の意見を代弁しているともいえるキャラ絵心は巻数が進むごとに日本サッカーへの批判をエスカレートしていく。
上の見出しにあるのは彼が日本サッカー界のお偉い人にいったセリフだ。
さらに絵心は批判を続ける。
勘違いした天才君が海外挑戦→異なる文化・言語の違いを理由に結果を出せず→2~3年後に日本に出戻り国内リーグで中堅程度のサッカー人生を送る
「この現状を繰り返している限り日本サッカーは未来永劫ド三流のまま世界一のストライカーなんて生まれるかよ」
ブルーロック7巻より引用
たしかに作者の言う通りこのパターンに当てはまるJリーガーは多い。
特にFWと言われるポジションの選手はヨーロッパでちょっとのゴールしか決められず、日本に帰ってくる。
その選手もしっかりとした技術があるのになぜか外国だとゴールを決められない。
この現状を改善しない限り、日本のワールドカップ優勝はずっと夢のままだろう。
ブルーロックは今の日本サッカーの問題の核心をついている漫画である。
ちょっと変わったサッカー漫画が読みたい人にはぜひおすすめしたい。
だが真剣に読みすぎると疲れてしまうかもなので、気楽な感じで読んでいただければと思う。
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