レアルよりリーガの順位は上!だけど勝てないアトレティコが抱える3つの問題点とは?

サッカーコラム
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ワンダ・メトロポリターノにアトレティのブーイングが鳴り響く。

宿敵レアル・マドリーとのエル・デルビ・マドリレーニョ 通称マドリーダービーでのことだ。

そのブーイングを受けていたのはクリスティアーノ・ロナウドでも

セルヒオ・ラモスでもなく、アントワーヌ・グリーズマンだった。

格下に勝てず引き分けが目立つ前半戦。CLはチェルシーとドローで終わりまさかのGS敗退

今季のアトレティコは、負けないが勝てないチームだ。

開幕で昇格組のジローナと引き分けるなど引き分けは14節終了時点ですでに6。

アトレティコよりも順位表で上を行くバルセロナ、バレンシア、

そして1つ下の4位マドリーの3チームとの対戦を終えても未だにリーガで無敗をキープしているのは

流石と言うべきだがこの3チームとも全て引き分け。

リーガのタイトルを獲るためには上位陣との直接対決で負けず、

格下との対戦では確実に勝ち点3を積み上げていかねばならない。

その点でアトレティコは取りこぼしが多すぎる印象だ。

そして、それはCLグループステージにも言える。

チェルシー、ローマ、カラバフと同居したグループは死の組の1つという評価。

開幕節でローマと負けに近いドロー、ワンダ・メトロポリターノの初CLとなった2節チェルシー戦は

土壇場でミヒ・バチュアイに決められ逆転負け。

勝ち点6を星勘定していたであろうカラバフとの3、4節でまさかの連続ドローとなり

勝ち点2を積み上げたのみ。この時点で自力での決勝トーナメント進出が消滅。

5節のローマ戦でようやく今季のCL初勝利を挙げたがもはや後の祭り。

最終節アウェーでのチェルシー戦は先制しながらドローに終わり3位でELに回ることが決定。

ここ数年恒例化しつつあったCLでのダービーも今年は実現せず、

アトレティコのビッグイヤーへの挑戦は来季以降へと持ち越されることになった。

 

ディエゴ・ゴディンの衰え、未成年選手補強違反、グリーズマンの移籍騒動。シメオネを苦しめる3つの要素

主力の離脱、高齢化

今季、シメオネを苦しめている要素はいくつかある。1つは、主力の高齢化。

ディエゴ・ゴディン、ガビ、ファンフランらは

シメオネ政権初期からチームを支えているチームの中枢のような存在だが

彼らも今季は途中出場、途中交代が明らかに増えた。
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彼らが今も主力であることは間違いないが、選手のやりくりに対する苦労が見られる。

特に、ゴディンの不調(衰え?)は自慢の堅守に影響を与えているだけでなく、

攻撃時とりわけセットプレーの威力低下を招いている。

彼のヘディングの強さはアトレティコのセットプレーの武器の1つであり、

相手チームにとって脅威であった。

彼の代わりに先発の機会を得ているリュカ・エルナンデスは、

守備はそつなくこなしているが、攻撃面ではゴディンには遠く及ばない。

キャプテンのガビは、アンドレス・イニエスタあるいは、

長谷部誠のように週2試合のスケジュールでフル出場することが難しくなってきたようだ。

それを裏付けるように今季は途中交代が目立つ。

こちらは、幸いにもガーナ代表のトーマス・パルティが台頭してきており、

大きな問題にはなっていない。

この夏はプレミア勢の標的となっていた彼の成長は今後のアトレティコの大きなキーと言えそうだ。

ファンフランに関しては、信頼できる後継者が見当たらず、

早く復帰してほしいというのが本音だろう。

本来2番手であるはずのシメ・ヴァサリコは、

本職ではないホセ・マリア・ヒメネス、トーマスよりも序列が下。

先日のチェルシー戦でも、右サイドは攻撃時は迫力不足で守備時は

常にエデン・アザールやザッパコスタ、ペドロ・ロドリゲスに翻弄され続けていた。

フィリペ・ルイスと共に長年アトレティコの両サイドを支えてきた
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ファンフランの離脱がいかに大きな穴か改めて思い知らされる結果となった。

選手層

そしてもう1つ大きな要因は選手層だ。

アトレティコは、未成年選手の補強に関して違反したとして

FIFAから1年間の新たな選手登録禁止の制裁(以前バルサが受けたものと同じ)を受けている。

そのため、この夏は事実上補強ができなかった。

それは選手層に影響を与えており、駒不足に悩まされている。

シメオネは、その中でもうまくやりくりしていると思うが、

チェルシーとのCL最終節では、交代出場の選手たちに大きな差があった。

チェルシーが失点後ペドロ・ロドリゲス、ウィリアンを投入し、

3-1-4-2のようなシステムでアトレティコに強力な圧力をかけ、

同点ゴールを奪ったのに対しアトレティコは、ヤニック・カラスコ、アンヘル・コレア、ルシアーノ・ビエットを投入したが、

コレア以外の選手は特に何も出来ず、
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コレアに関してもクルトワとDF陣の間を通したグラウンダーのクロス1本以外は

脅威になっていたとは言い難い。

途中交代の選手たち以外にも試合を通して

チェルシーとの間には攻撃面でのクオリティに明らかな差があった。

1-1のドローゲームになったのは、ヤン・オブラクのおかげだった。

彼がいなければおそらく3点、もしくはそれ以上に失点していたはずだ。

かつてのエースが復帰する一方、現エースは懸念材料

早くも、ビックイヤーという目標を失ったアトレティコだが、

1月には、ビトーロとジエゴ・コスタが合流できる。
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さらに選手を獲得する可能性もあるだろう。

CLよりも日程がタイトになるELに回ることはマイナスかもしれないが、

リーガにより力を注ぐことも可能になった。

あえて懸念を挙げるとすれば、グリーズマンか。
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この夏の移籍騒動以来、アトレティとの関係が決して良好とは言えないエースには、

夏同様マンチェスター・ユナイテッドとバルサが触手を伸ばしている。

今季の不調に加えて移籍を仄めかすようなコメントも相まって批判の的となっているグリーズマンが

冬に電撃移籍となっても驚きはない状況といえる。

彼が移籍となると戦力的打撃は避けられない上、クラブのブランド力にも関わってくる。

ただ、1つ間違いないのはアトレティコがこのまま沈むはずがないということだ。

必ずや逆襲が始まると期待して後半戦のアトレティコを見ていきたい。

なんたって後半戦のアトレティコには”反逆のストライカー”ジエゴ・コスタが帰ってくるのだから。

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