アメリカ4部の独立リーグUPSL
ラスベガスシティFCでプレーする
堀田一海(ほったかずうみ)27歳にフットウォールが独占取材。
今回はポーカーとサッカーの関係について話をする。
ロシアワールドカップグループリーグ第3戦ポーランド戦はまさにポーカー的勝ち方?
naoki:今日もアメリカの独立リーグのラスベガスシティFCでプレーする堀田選手にお話をお伺いしたいと思います。では堀田選手(かず)よろしくお願いいたします。
Kazuumi(以下KAZU):よろしくお願いいたします。
naoki:私自身よくポーカーをやるのですが、今日はポーカーとサッカーの関係というテーマで少し話をできればと思います。かずさんはカジノの本場、ラスベガスのクラブでプレーされているとおっしゃっていましたがいかがですか?
KAZU:はい、そうですね。ポーカーとサッカーですか。
まずポーカーは確率が非常に重要なカードゲームですよね。
そこに関連付けるとw杯ポーランド戦終盤の日本代表の戦い方が挙げられます。
無理に点を取りにいかずに、パスを回したあの終盤、10分程度ですか。
決勝Tに進めたから言えますけど、あの選択は確率的に言えばよかったのかな。
あと心理戦でもあるわけですから、駆け引きも重要になってきますよね。
その点ではポーカーとサッカー、深い関係、似ている点があると思います。
チームメイトでもアプリでポーカーをやっている選手は多いんですよ。
というか多くの海外の選手はポーカーとかカードゲームが好きですよね。
そうなんですね。ちなみにポーカーには様々な種類がありますが、チームメイトとはやはりアメリカで最もポピュラーな方式、テキサスホールデムでゲームをされるんですか?(笑)
KAZU:そうです(笑)手もとに2枚、場に5枚の方式。僕はアプリでたまに遊ぶぐらいでチームメイトとはやらないですけどね。
やはり少しポーカーに興味を持たれたのはアメリカに移籍したことが影響しているんですか?
KAZU:いえ、小さいときからトランプとかカードゲームは元々好きでよくやってましたし、
ポーカー、ブラックジャックもその時から知ってました。
アメリカにはやはりそういった文化がありますしやっている選手も多いですから、
移籍してきてよかったことの一つですかね。(笑)
日本にはポーカーを日常で遊ぶ文化はありません。トランプでやるといえば大貧民くらい。
ポーカーとサッカー。ポーカーとスポーツ。
確率論とサッカー。そうやって適合して考える人は少ない。
日本のスポーツの精神は「美しく勝つ」あのポーランド戦には賛否両論がありますが、
ファンの中では武士道がない。侍魂がないと言われていました。
そういったことについてどう思われますか?
KAZU:試合には負けましたが、決勝トーナメントに進むため、あの戦い方で問題はなかったと思います。結果論ですが、思い切ってあの選択をしたからこそベルギーと戦えたわけで。
サッカーにおいてはバスケみたいにポンポンとゴールが決まるわけではないですよね。
30本シュートを打って0の時だってある。思い切って確率論で考えることも重要ですよね。
全部が全部それで考えるのはどうかと思いますけど、
大舞台の1発勝負、日本より格上が相手。
あのポーランド戦だけを見ればパスを回すという選択は「正解」でした。
ラスト10分であの状況。あれでよかったと思います。
ベルギー戦でのロストフの14秒はショートコーナーにするべきだった?
もう一つ議論になったことがありました。ベルギー戦の失点を招く原因となった最後のコーナーキックです。
KAZU:はい。身長が2mあるクルトワがGKですからね。
さすがにあのボールではキャッチされるなと思ってみてましたよ(笑)
ショートコーナーでクロスを上げずにボールをキープするなり、
対策練って、意思疎通をしておけば少なからず延長には持ちこめましたよね。
あの選択に西野監督は後悔してないようですけど、あのキック一つで「ロストフの14秒」が生まれたわけです。客観的に見れば延長に行っていた方が、それはよかったわけで。
ハリルホジッチが監督のままワールドカップを戦っていたほうがメリットがあった?
yuto:まだその話をするかと思われそうですが、丁度W杯の話になったので(笑)
ハリルホジッチ監督が2ヵ月前に解任されたことについてお聞きしたいと思います。
W杯本番でやりたかったこと、手の内は明かさず、
本番までとっておいた「隠し玉」はあったはずですから、
個人的に解任は非常に残念でした。「ハリルが良い。西野監督が悪い。」ということではありません。
そもそもは協会が悪いんでしょうからね。
ただ、ハリルホジッチ監督で臨んだW杯ロシア大会の方が、今後の日本代表には多くのメリットがあったはずです。
それは結果に限らず。ですがそのメリットは結局何だったのか分からず終わってしまいました。
KAZU:これにも賛否両論ありましたよね。ハリルホジッチ監督のサッカーは日本人にあったやり方で試していたと思うし、いろんな角度からいろんなやり方で試していました。あのままハリルホジッチが解任されずワールドカップを戦ったとしても日本サッカーの今後につながる何かが残ったと思います。
![](https://footwall.club/wp-content/uploads/2018/07/pic_1524312251_1.jpg)
seiya:この前アジアカップの直前番組を見ていて、あぁそういえばこの時ってアギーレ監督だったなぁって思ったんですよ。
アギーレ監督とハリルホジッチ監督って同じ追い出され方で、戦術思考も似ていて、厳格なタイプで。
ヨーロッパのクラブでも結果を出していて。あの手の監督は二人とも同じ切りかたをされていたわけです。
単に解任された理由はあの手の戦術が合わなかったのか、人柄が合わなかったのか、どう思われますか?
KAZU:戦術的には合わなかったとは思いませんね。どちらかと言えば人柄だと思います。
ポーカー的な考えでいったらあれは勝つための手段だったのか、確率論で考えた上でのことだったと思うのですが。
KAZU):解任される前、どちらかといったらうまくいってなかった。監督解任となったら、選手からすればやるしかないと思うわけで、僕も選手なのでその選手的な立場の考えからいえば解任させてよかったと思います。
僕たちのところに入ってくる情報は100%ではないわけですが、
確かにハリルの時のチームの雰囲気はよくなかったと言いますよね。
就任当初、熱くプレゼンをしてくれたりと僕らの就任当初の印象はよかったんですけどね。
ハリルホジッチ監督は日本の監督になるとまず選手の体脂肪、そしてデュエルについて話しました。
いきなりきて体脂肪が多い!と言われたらどうです?
KAZU:まあ無駄なものは落とした方がいいですしね。ただ逆に筋肉をつけすぎても選手一人一人にプレースタイルがあるわけですから、それはダメなわけで。基本的に落とせっていうのはいいと思いますけどね。
本日もありがとうございました
ありがとうございました。
オンラインスポーツカジノはプレミアリーグの胸スポンサーのロゴに。ネイマールもポーカーに夢中
その土地にある文化はスポーツに少なくとも影響を与えている
さすがは本場ラスベガス。チームメイトはよくポーカーやカードゲームをやっているとのことだった。
ラスベガスは人気のあるスポーツの誘致に力を入れていると聞くが、
やはりそれもその土地を代表するギャンブル、カジノという文化があるからのことだ。
その土地にある文化はスポーツとも密接に関わってくる。
スポーツビジネスとも深い関係
ポーカーとサッカー。いってみればギャンブルとサッカー。この二つには深い関係がある。
今回の話の中では、かずさんがおっしゃっていた心理面や駆け引きといった
「スポーツ競技としてのサッカー」とギャンブルの共通点が大半だったが、
ビジネスの点で考えても、重要な役割を果たしているのが、ギャンブル(オンラインカジノ)だ。
プレミアリーグの複数クラブの胸スポンサーにはオンラインカジノのロゴがあるが、
いかにクラブとのWINWINの関係を築けているかに気づく。
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この両者の相性は非常によく上手くいっている。
ただでさえ人気のあるプレミアリーグにおいて、
多くの賭け金が投資分としてオンラインカジノに入り、
そこで出た儲けはクラブへの協賛金として見込むことができる。
有名選手もポーカーに夢中
ポーカーは世界大会があるほど人気のカードゲームであり、
ヨーロッパでプレーしている選手の中にはオフの期間に大会に参加する者もいるくらいだ。
ブラジル代表のネイマールなどもポーカーにハマっている。
![](https://footwall.club/wp-content/uploads/2019/01/20180726T170753Z_1_LYNXMPEE6P1LO_RTROPTP_4_SOCCERBRAZILNEYMAR.jpg)
スポーツ競技としてのサッカーとギャンブルの話
何故議論になっていたのかが疑問なくらいだが、ロシアW杯ポーランド戦残り10分、
あの状況で一番見たくなかったのは、11人全員が意思統一できていない姿だったはずだ。
全員で「考えに考え抜いて出した選択」
「よりこっちの確率の方が高いだろう」
と踏んだのであればこれ以上なく立派だったと言える。
だからこそベルギー戦の最後のコーナーキックは残念であったし、
西野監督の「後悔はしていない」というコメントにも違和感を覚えてしまった。
美しく勝つ、侍魂がどうこうと言っているうちはW杯といった大きな舞台で歴史を覆すことは不可能だ。
現在行われているアジアカップでもその一瞬の選択、
勝つ確率の高い選択が求められる瞬間は頻繁に訪れるだろう。
ただ場面ごとにそれは異なり、方程式のように正解は1つじゃない。
それを秒単位のわずかな時間にピッチ上にいる選手自身が判断しなければ
ならないのだから選手は大変である。まあそれがプロだとは思うが。
重要なのは「意思統一と一瞬の状況判断力」
「ロストフの14秒」の悲劇を二度と繰り返さないことだ。
![](https://footwall.club/wp-content/uploads/2018/07/43356_ext_01_23.jpg)
最後にハリルホジッチ監督解任の件についても触れ、
堀田選手からは選手としての立場からコメントを頂いた。
今更議論していても仕方がないのだが、多くの人が当時語っていたようにあの一件で
「コアファンの信頼が失われた」ことは忘れてはならない。
堀田一海選手が所属しているラスベガスシティFCの公式HPはこちら↓
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