W杯最終予選初戦UAE戦、浦和レッズの柏木が欠場し代わりに川崎フロンターレの大島が先発。戦犯は監督のハリルホジッチただ1人
9月1日。多くのサッカーファンが失望と2018ロシアワールドカップ出場権を失うのではという危機感に包まれたはずだ。
大事な最終予選の初戦、相手は、2015年のアジアカップでPK戦の末敗れたUAE。
会場は、ホーム埼玉スタジアム2002。
絶対に負けが許されない1戦に挑む日本代表は長友と司令塔の柏木を欠いて挑んだ。
結果から言うと、柏木の欠場が大きくチームを苦しめる1因になった。
柏木の代役に指名されたのは、U-23代表の司令塔としてオリンピックを戦い、この試合がA代表デビューとなった川崎フロンターレの大島。
この選択自体は悪いものではない。しかし、その選択をするまでのプロセスには問題があった。
通常、試合の前日には選手たちにスタメンは発表されるし、2~3日前にはある程度スタメンを意識した練習をする。
今回は海外組が合流してから4日で試合を迎える難しさはあったが、ヴァイド・ハリルホジッチ監督は、
試合の前日練習時もスタメンを決めかねており、主将の長谷部も練習後の囲み取材でも「監督もまだ決めかねている」と漏らしていた。
監督の迷いは選手に伝染し、試合中も選手たちから終始迷いが見て取れた。
試合を追うごとに重要度を増していた柏木をギリギリまで待ちたかったという監督の考えもわかる。
しかし、色々な事情を考慮しても監督がギリギリまで決断を下せなかったところが結果を分けたといえるだろう。
今こそ、呼び戻してもらいたい選手たちハーフナー・マイク、金崎、斎藤、鈴木大輔
いきなり窮地に追い込まれてしまったともいえる日本代表。
攻撃パターンの少なさだけでなく守備のもろさも改めて露呈してしまったなかで、僕的にぜひ招集してもらいたい選手を何人か選出した。
FW ハーフナー・マイク(AOD・デン・ハーグ)
オランダ1部エール・ディヴィジで結果を残し続けている長身ストライカー。
代表ではあまり結果を残せていないが、それは他の選手たちが彼を生かし切れていないのも事実。
ハーフナー自身も空中戦特化型の選手だったが、AOD移籍後は、元浦和のゼリコ・ペトロビッチ監督の指導でポストプレーなどの質が向上。
今季はトップ下のデュプランとホットラインを形成している。プレーの幅を広げたハーフナーを今こそ代表に呼び戻すべきでは。
FW 金崎夢生(鹿島アントラーズ)
ワールドカップ2次予選では、岡崎との2トップで活躍した金崎。
本来なら、メンバーに含まれているはずの選手だが、Jリーグ第2ステージ9節の湘南ベルマーレ戦で途中交代を命じられた際に、
石井監督にキレた件をハリルホジッチ監督が重く見たため、招集見送りとなった。
ただ、明確なポストプレーヤーが不在だった日本は、ちぐはぐな攻撃に終始したため、
10月のイラク、オーストラリアとの試合では怪我等がなければ、おそらく招集されるだろう。
ここで1度自分を外したハリルを見返すような活躍を見せてほしい。
MF 齋藤学(横浜・F・マリノス)
こういう記事では、もはやレギュラーともいえる頻度で登場しているドリブラー。
“エヒメッシ”の愛称が表すように、細かいステップで相手の守備網をスルスルと抜けていくドリブルが持ち味。
宇佐美、原口といった現代表のドリブラーたちが持ち合わせていない、
″すばしっこさ″を持った選手。選手起用の幅を広げるという意味でもぜひ招集してもらいたい。
DF 鈴木大輔(ジムナスティック・タラゴナ)
スペイン2部タラゴナで奮闘する鈴木。ロンドンオリンピックの後、1時期A代表に招集されていたがあまりインパクトを残せず。
昨冬に柏レイソルを離れ、スペインへ移籍しCB3番手からレギュラーを奪取し、昇格プレーオフまで進出したチームの守備を支えた。
海外組は攻撃陣ばかりが注目されるが、常々守備の弱さを指摘される日本代表に必要な選手ではと個人的には思っている。
A代表未招集のリオオリンピック世代の逸材たち。鈴木優磨、井手口陽介、鎌田大地、小川諒也、中村航輔
FW 鈴木優磨(鹿島アントラーズ)
今シーズン鹿島で切り札存在になっている鈴木。
痺れる場面で投入されて結果を残している強心臓を持っているうえ、形にとらわれない泥臭さも持ち合わせている。
1トップでも2トップでも対応できる利便性もある。
また、途中出場からでも、今のA代表に欠けているファイティングスピリットをチームに注入できる貴重な存在になりえる。
実績はまだまだながら、FW陣の争いも含めて、面白い存在になれるはずだ。
MF 井手口陽介(ガンバ大阪)
ガンバの先輩 遠藤保仁が自らの後継者として期待を口にしている大器。
オリンピックのメンバーにも最年少で入るなど、着々と経験を積んでいる。
彼の魅力は、3列目からの飛び出しや球際の強さもそうだが、物怖じしない性格。
チーム内では、”浪速の喧嘩番長″と呼ばれているように相手が誰かを気にしないようだ。
柏木、長谷部の明確な控えがいない上に、強い推進力を持っているボランチは今の代表にいないタイプ。
ガッチリ守備を固めてくるチームが多い中で3列目から攻撃に厚みを持たせられる上に精神的にもタフな彼のような選手も必要だと思う。
MF 鎌田大地(サガン鳥栖)
サガン鳥栖で司令塔として活躍する鎌田。
オリンピックのメンバー入りはならなかったが、Jリーグで継続して結果を残している選手の1人。
昨シーズン高卒ルーキーでデビューし、シーズン途中から重要な役割を担っていた。
今シーズンはトップ下のレギュラーを掴み、ほとんどの試合にスタメン出場。
フィジカル重視になりがちな鳥栖の攻撃にアクセントをつけている。
彼の特徴は、パートナーのタイプを選ばない点。
金民友、豊田といったテクニシャンタイプ、空中戦に強いストライカーどちらとも良い関係を築ける。
また、大きなストライカーと生かし生かされる術を知っているというのが、僕が鎌田を代表に推す理由だ。
DF 小川諒也(FC東京)
今シーズン元日本代表の駒野友一からポジションを奪った20歳のLSB。
持ち味は、積極的な攻撃参加と左足の制度と破壊力。
出場機会をつかんですぐにセットプレーのキッカーを任されるなどチームからも信頼されている。
個人的には、流通経済大柏高3年時の選手権で決めた強烈なミドルに度肝を抜かれた記憶も新しく、注目していた。
LSBが人材不足だったこともあり、オリンピックのメンバー入りも期待したが、メンバー入りはかなわなかった。
LSBは、長友以外絶対的な選手がいないため、世代交代をという意味でも小川を抜擢してもらいたい。
GK 中村航輔(柏レイソル)
リオオリンピックで第2戦からゴールマウスを守った中村。
今シーズンは、アビスパ福岡から柏に復帰。守護神に君臨している。
プレーの特徴は、現代表守護神の西川周作に似て、足下の技術の高さと守備範囲の広さ。
さらに、至近距離からのシュートへの反応の良さなども似ている。
ロシア大会は、西川が正守護神で挑むことに異論はないが、中村に予選の雰囲気に触れさせるという意味でも招集すべきだと思う。
ロシアワールドカップ出場に向けて負けられないアジア最終予選の次の相手は?10月にイラク、オーストラリア戦。1勝1分けが最低ノルマ
9月6日にアウェーでタイに2-0で辛くも勝利し何とか1勝目を挙げた日本。
次は、10月6日ホーム埼スタでのイラク戦。そして10月11日アウェーメルボルンでのオーストラリア戦。
グループ最大の強敵との連戦だ。
ここでは1勝1分けが最低ノルマになる。
仮に2試合とも落とすようなことになれば、ワールドカップ出場権を本当に失いかねないだけにそれだけは何としても避けてもらいたい。
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