ロベール・ピレスが選ぶ「無敗優勝チーム」と現チームの混合ベストイレブン
アーセナルは2003-04シーズンに圧倒的な強さでプレミアリーグ無敗優勝を果たした
しかしそれ以降プレミアリーグのトロフィーを獲得していないため、当時の「インビンシブルズ」(無敵の者達)は伝説のチームとされている。
もちろん現在のミケル・アルテタ監督率いるチームも再びプレミア制覇を目指しており、その可能性は十分にあるチームだ。
アルテタ監督のチームもタレントが揃ってはいるが、当時の2003-2004無敗優勝のインビンシブルズにどれだけの選手が入れるかという問いに、元選手ロベール・ピレス氏が「インビンシブルズと現チームの混合ベストイレブン」を作成している。
ゴールキーパー: イェンス・レーマン(無敗優勝チーム)
最終ライン: 右サイドバックにローレン、左サイドバックにアシュリー・コール、センターバックにソル・キャンベルを選出。アルテタ監督のチームからはウィリアム・サリバが唯一選ばれた。
中盤: パトリック・ヴィエラとジウベルト・シウバがダブルボランチに選ばれ、アルテタ監督のチームのデクラン・ライスは選外となった。
ウイング: アルテタ監督のチームからガブリエウ・マルティネッリとブカヨ・サカが選ばれ、ピレス氏はマルティネッリを選んでいる。サカは攻撃のキーマンとして選出された。
フォワード: デニス・ベルカンプとティエリ・アンリが選ばれ、アンリのような点取り屋がアルテタ監督のチームにいないことが弱点として挙げられた。
Embed from Getty Imagesピレス氏の選んだベストイレブンは無敗優勝した選手たちの強さを反映しており、アーセナルの成功の背景にあったことが強調されている。
結局11人中8人がインビンシブルズのメンバーであり、現アルテタ監督のメンバーは3選手のみだった。
無敗優勝したメンバーがどれほどすごかったのかは、2年後の2005-2006シーズンにも表れており、無敗優勝したメンバーが数選手退団しても強かった。
当時のベンゲルアーセナルを振り返ってみようと思う。
2005-06シーズンは無敗優勝のメンバーが退団し世代交代しても強かった
ベンゲル体制のアーセナルで最も強く、最強と言われた時代は2003-2004シーズンであるといえるが、
実は2005-2006シーズンもそれに比較するくらいに強かった。
とりわけチャンピオンズリーグでは決勝まで駒を進め、
当時最強だったスペインのバルセロナと互角に試合をしていた。
アーセナルは先制したので、GKレーマンの退場がなければ勝っていた試合だったように思える。
アーセナルは新しい時代を迎えており、
無敗優勝のメンバー
パトリック・ビエラ
デニス・ベルカンプ
マーティン・キーオン
はクラブを退団していた。
代わりに入った、若手選手
10代でバルセロナから引き抜かれたMFセスク・ファブレガスを筆頭に
FWロビン・ファン・ペルシー
FWエマニュエル・アデバヨール
DFコロ・トゥーレ
MFマテュー・フラミニ
DFエマニュエル・エブエといった選手が
見事に穴を埋めていた。
バルセロナとの決勝戦まで決勝トーナメントは無失点
このときのアーセナルは攻撃もすごかったが守備も安定していた。
ビエラという中盤の壁がいなくなったことでシーズン序盤は苦しんだが、
CLではレアルとの決勝トーナメント1回戦を制すると、
無失点で決勝まで勝ち上がっている。
決勝ではGKのレーマンが退場したことで数的不利となり、
2-1で惜しくも敗れた。
当時最強だったバルサ。あのイニエスタが控えに
2005-2006シーズンのバルセロナは強かった。
日本でも有名なスペイン人のMFアンドレス・イニエスタが
ベンチにおり、
スタメンにはエトー、ロナウジーニョ、デコなどが名を連ねていた。
CL優勝はして当然のチームではあったが、
後半に試合終了残り9分という時間までにピッチ上では9人となった
アーセナルから2点目を取ることはできていなかった。
おそらく、GKのレーマンが退場をしなければこの試合はアーセナルが勝っていただろう。
ベンゲル時代の終焉。アルテタがプレミア優勝争いをするかつてのアーセナルを復活させる
2005-06シーズンはベンゲル時代で最後の輝きを放ったシーズンであり、
終焉の始まりでもあった。
このシーズンを境にアーセナルはCLはおろか国内のプレミアリーグの優勝すらできなくなってしまう。
昨シーズンようやく暗い長いトンネルを抜けたアルテタ監督のアーセナルが
20年ぶりのプレミアリーグ優勝まであと1歩と迫り、
アーセナル復活を予感させた。
Embed from Getty Images2022-2023シーズンは優勝したマンチェスターシティとはわずか5ポイント差。
今シーズンは5試合を消化し勝ち点10で5位につけており、
優勝を狙える位置にいる。
メンバーもアルテタが見極めて獲得した若手が中心で
ブカヨ・サカ
エンケティア
ウーデゴール
ラムズデイル
ベン・ホワイト
ジンチェンコなど
20代の選手ばかりである。
ベンゲルからアルテタへ。
アーセナルは久しぶりの黄金期を迎えようとしている。
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