シーズン終了が目前となっている欧州サッカー、その主要リーグである欧州5大リーグでも続々と優勝チームが決定している。
ラ・リーガ(スペイン)ではバルセロナが無敗を維持し、2位と10ポイント以上の差をつけて2年ぶりの優勝を果たす。
プレミアリーグ(イングランド)でもマンチェスターシティが圧倒的な強さで首位独走。さらには最多勝点などの複数のプレミアの新記録を樹立する可能性がある。
ブンデスリーガ(ドイツ)では相変わらずの一強時代で、序盤のつまずきはあったが、バイエルンが6連覇を見事達成。
リーグ・アン(フランス)もパリ・サンジェルマンが2位リヨンに20ポイント近くの勝点差をつけて王座に返り咲いた。
欧州5大リーグの内の4リーグの優勝が決まった中、唯一激しい優勝争いが繰り広げられているのがユベントスが6連覇中のセリエA(イタリア)だ。
現在、首位ユベントスと2位ナポリとの勝点差は『4』、残り3試合とどちらにも優勝の可能性が十分にある。
両チームの残りの対戦カードも含めて、優勝争いの展望について予想してみたので最後まで見てほしい。
セリエAの天王山はナポリに軍配!勝点差は『1』に!歓喜するナポリだったが・・・
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4ポイント差で迎えた4月23日、ユベントスホームで開催された天王山では、ナポリがユーべを圧倒し終了間際のナポリDFカリドゥ・クリバリの豪快なヘッドで劇的な勝利を収めた。
まるで優勝したかのように喜びを爆発させるナポリイレブンと、お祭り騒ぎのナポリターノたちとナポリの街。
両チームにとって大きな試合だったのは明確だっただけに、ユベントス陣営にとってはショックが大きく、ナポリ陣営にとっては逆転優勝に向けて大きな勝利となった。
対照的な両チームだったが、次節で立場は一転する。
先に試合を迎えたのはユベントス。敗戦のショックに打ちひしがれながら敵地でインテルと対戦。ナポリとの天王山に続き、『イタリアダービー』というビッグマッチを迎えた。
ナポリ戦の動揺や疲れも見られ、先制したものの、退場者を出した10人のインテルに逆転を許す王者らしくない展開に。
しかし、終盤のラスト3分間で逆転し劇的な展開でイタリアダービーを制した。絶体絶命な状況から強靭な勝者のメンタリティーを見せつけ、ナポリにプレッシャーをかける。
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天王山を制し、勢いづくナポリは、イタリアダービーの翌日に9位フィオレンティーナと敵地で対戦。28年ぶりのスクデットの為に勝利が絶対条件である。
しかし、開始6分で早くもプランが崩れる。ユーべ戦勝利の立役者だったDFカリドゥ・クリバリがラフプレーにより一発退場。早々と10人での戦いを強いられることに。
そんなナポリをフィオレンティーナの若きエースが更なるどん底に突き落とす。アトレティコ・マドリー監督の息子、ジョバンニ・シメオネがなんと3得点。トリプレッタ(ハットトリック)を達成。
まさかの3-0というスコアで敗れたナポリ。ユベントスとの勝点差が再び『4』に。まさに天国から地獄だった。
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セリエA残り3試合の対戦カードはナポリ有利?ユベントスはローマ、更にはミランとのコッパ・イタリア決勝を残す
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再びユベントスとナポリの勝点差が『4』に開いたのを受けて、気になるのはやはり残り試合の対戦カードだ。
【ユベントスの対戦カード】
5/6 ボローニャ戦(セリエA・ホーム)
5/10 ミラン戦(コッパ・イタリア)
5/14 ローマ戦(セリエA・アウェイ)
5/21 ヴェローナ戦(セリエA・ホーム)
【ナポリの対戦カード】
5/6 トリノ戦(セリエA・ホーム)
5/14 サンプドリア戦(セリエA・アウェイ)
5/21 クロトーネ戦(セリエA・ホーム)
対戦カードはご覧の通り。ユベントスがコッパ・イタリア決勝を戦うため、1試合多く戦うことになり、コンディションの調整が重要だ。
試合数が多いことはもちろんだが、ミラン戦の4日後にアウェイのローマとの戦いは非常にハードなる。
ユベントスにとっては、この2試合をどう乗り切るかが7連覇のターニングポイントとなりそうだ。
対するナポリは比較的対戦相手に恵まれており、1週に1試合のペースになるため、コンディションも整えやすい。
さらに、ナポリにとって相性抜群の3チームとの対戦ということを考えるとスケジュール面でのナポリ有利は間違いない。一気にユベントスをまくれるか。
過去にはエースイグアインの禁断の移籍も!ユベントスとナポリ。最後に笑うのは・・
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試合数、対戦カードはナポリ有利も、逆転優勝は簡単なものではない。相手は6連覇中の王者ユベントス。
選手層をはじめ、優勝争いの経験値、勝者のメンタリティーという地力はもちろんだが、再三に渡って指摘している【勝点差『4』】がとてつもなく大きい。
追う側のナポリとしては1試合も落とすことはできなくなり、ユベントスは3試合の内1試合を落としても、2試合で勝てば自動的に優勝が決まる。
ナポリに掛かるプレッシャーは非常に大きく、精神的なアドバンテージはユベントスにあると言えるだろう。
しかし今シーズンのナポリのスクデットにかける意気込みは鬼気迫るものがあり、間違えなくセリエAで魅力的なサッカーを披露しているチームだ。
対するユベントスも序盤の不安定な戦いから見事にリカバリーし、難しい試合でも勝ち切る力は他の追随を許さない、まさに絶対王者である。
両チームは過去に当時ナポリのエースとして君臨していたイグアインがユベントスに禁断の移籍を果たすなど、少なくない因縁がある。
更には近年でも激しい優勝争いを繰り広げてきており、実力は近年で最も拮抗しているどちらが優勝するのかを予想するのはほとんど不可能だ。
スクデットを獲得するのは、果たして。
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