【日本史上最強GK】引退した川口能活が残した輝かしい伝説とは?

サッカーコラム
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2018年11月14日

ある一人のゴールキーパーが

引退会見を行った。

その名は川口能活。

90年からゼロ年代にかけて日本代表でも活躍した

静岡出身のサッカー選手である。

そんな川口が日本サッカーに残してくれたものを今から紹介していく。

 

ロベルト・カルロスに「レアルに来い」と誘われたマイアミの奇跡

日本はゴールキーパーを評価する文化がない。

それは今も思うことだが

川口がプロデビューしたころはもっとひどかった。

負けた試合でのインタビューでは理不尽なシュートに対して

「どうして止められなかったの?」と責任転嫁の質問が飛ぶ。

失点の原因は全てGKにある、そんな時代だった。

ただその質問がきたのも川口がある奇跡を起こしたからに他ならない。

一度はみんなも聞いたことがあるだろう。

マイアミの奇跡。

1996年のアトランタ五輪でブラジルをやぶった1戦だ。
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これはすべて川口能活のスーパーセーブのおかげだった。

当時のブラジルのメンバーは現在よりも強力で

ロベルト・カルロス、ロナウド、アウダイール、ベベット、リバウド、

ジュニーニョ・パウリスタと容赦がない。

オーバーエイジも使い、本気で金メダルをとりにきたのだ。

ブラジルからしたら楽勝のはずだった日本戦を

川口能活が28本のシュートを浴びながらもノーゴールに抑えたことで

喜びをため息に変えた。

そして翌年の97年にもブラジルと対戦。

その時当時レアルマドリードにいたロベルト・カルロスに

「レアルにこい、一緒にプレーしよう」と声をかけられている。

川口は日本のみならず、世界に日本のGKの価値を証明したといっていい。

 

日本にワールドカップ初出場をもたらした

今でこそワールドカップ出場が当たり前となった日本。

だが90年代後半はワールドカップに出るかはわからないとされていた時代で

98年のフランスワールドカップもギリギリで出場権を獲得したような感じだった。

そのとき正GKを任されていたのが川口能活であり、

彼のセーブのおかげでアジア予選を突破。
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見事ワールドカップ初出場を成し遂げた。

そこから2010年大会まで4大会連続でメンバー入りした川口能活だったが

彼自身、ピッチ上で勝利を経験したことはなく、

出場した試合は引き分けか負けかのどちらかだった。

2002年には肉体的にはまだまだいける年齢でもあったがトルシエの評価が得られなかったことと

怪我の影響もあり、一度もワールドカップの試合に出場してない。

かつて川口は当時日本代表監督だったフランス人のトルシエにこう聞いた。

「自分と楢崎のどちらを正GKとして選ぶのか?」

そしたらトルシエは

「おまえには自信が足りない。そんなことを聞くこと自体自信のない表れ」と答えたという。

2000年のシドニー五輪にもトルシエは川口を正GKにしてはおらず、終始評価を得ることはできなかった。

 

イングランドポーツマスに移籍。日本人で初めてヨーロッパ組のGKになる

川口が代表として活躍していた2000年代は

多くの若い選手が海外へと渡っていた。

しかしGKは誰一人として欧州に渡ったことはなく、

海外での日本人GKの評価は低いままだった。

しかし川口能活がその歴史を変える。

2001年10月にイングランドプレミアリーグの下のカテゴリーである

ディビジョン1のポーツマスに移籍。
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日本人として初めてのヨーロッパでプレーしたGKとなった。

1年目は11試合出場したが、リーグ戦で勝てなくなったことでチームのフロントは

かつてのベテランGKを呼び戻し、川口は次第に存在感を失っていく。

ポーツマスの会長は苦悩する川口に「ワールドカップに出たいなら他のチームに移籍しろ」

と心無い声をかけたという。

その後、デンマーク1部のノアシュランに移籍するもののここでも正当な評価は得ることができなかった。

2019年の現在の代表では川島永嗣が選出されてないため、ゴールキーパーはすべて国内でプレーしている。

川口が欧州へと移籍したのが2001年だったことからあれから18年経過しても

日本人のGKの海外での評価は他のポジションに比べると全く上がってないといえる。

先日サガン鳥栖の権田と柏ユースのGK小久保玲央ブライアンがポルトガルのクラブに移籍したが

まさしくこれからという感じだろう。

代表のGKコーチに就任の噂がある川口能活。

「選手ではなく違った貢献がしたい」まだ現役を続けることができたにも関わらず

グローブを外したものこのためだったのだろう。

川口能活が代表のスタッフに入ったとき日本のゴールキーパーのレベルは

世界標準化へと1歩近づくに違いない。

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