グアルディオラ率いる最強マンチェスターシティの歴代ワースト移籍補強
2023-2024シーズンプレミアリーグも終幕し、サッカーファンの誰しもが「またシティ優勝かい!」と声に出したはずだ。それもそのはずマンチェスターシティはイングランドトップリーグ史上初となる4連覇という偉業を成し遂げたのだ。
では、そんなグアルディオラ監督率いる最強軍団マンチェスターシティはずっと順風満帆なのだろうか。
もちろんそんなはずはない。そこで今回は、マンチェスターシティのペップ事グアルディオラ監督が獲得した「歴代の失敗した(ワースト)移籍」を紹介したい。
歴代ワースト補強1.フェラン・トーレス(現バルセロナ所属)2020バレンシアから移籍加入
マンチェスターシティ歴代ワーストの補強を語るうえで、フェラン・トーレスを避けることはできない。
- 生年月日:2000年2月29日(24歳)
- 国籍:スペイン
- 身長:184cm
- 出身地:バレンシア州バレンシア県フォイオス(スペイン)
- 趣味:映画鑑賞、アニメ、ボウリング
同選手はバレンシアの下部組織出身で、2018年にトップリーグに昇格。
その2年後の2020年にバレンシアから、マンチェスターシティに移籍することになったが、彼がクラブに所属していた期間は約1年半。
さまざまな事情で、選手が短期間でチームを離れることはそこまで珍しいことではない。
しかし、この移籍がシティファンにとって歴代ワーストであるのには理由があった。
まず、背番号の問題である。フェラン・トーレスがマンチェスターシティで付けることになった番号は「21」。
これはクラブのレジェンドであるダビド・シルバが輝かしい成績を残した意味のある数字で、「21番というユニフォームを選んでおいてこんな短期間で退団するのか!?」というサポーターの憤りがあった。
また、フェラン・トーレス本人がバルセロナへ移籍した後のインタビューで「そもそもマンチェスターシティに移籍したのはバルセロナに行くため」とも取れる発言をした。
これにシティファンは激怒。踏み台にされたような気持ちになったのかもしれない。
歴代ワースト補強2.カルビン・フィリップス(現ウェストハム所属)2022リーズ・ユナイテッドから移籍加入
イングランド代表でも活躍していた元リーズのカルビン・フィリップス。彼もまた稀に見るマンチェスターシティの移籍失敗の歴代代表である。
- 生年月日:1995年12月2日(28歳)
- 国籍:イングランド(英国)
- 身長:177cm
- 出身地:イングランド、リーズ(英国)
- 趣味:ゴルフ、サウナ、釣り、野球観戦
同選手は、2022年夏にリーズ・ユナイテッドからマンチェスターシティに移籍。
ハーランドやアカンジ、アルバレスといった豪華な面々と共にクラブにやってきた。
年齢もあって彼に期待されるところは「即戦力」としての活躍。
しかし、当初のテーマでもあった「ロドリの控えになる」ことはおろかまともに試合に出ることもままならなかった。公式戦はなんと16試合のみで、リーズ時代の活躍を疑うほどのスタッツでもあった。
そして、試合にほとんど出場することなく時間だけが過ぎていき、結局リバプールやアーセナルへの移籍も叶わず中途半端な状況になったカルビン・フィリップスはウェストハム・ユナイテッドにローン移籍した。
ちなみに、ウェストハムでのデビュー戦はいきなりPKを献上するというお粗末な結果になった。
歴代ワースト補強3.ジョアン・カンセロ(現バルセロナ所属)2019ユベントスから移籍加入
ジョアン・カンセロは、これまでインテルやユベントスなどビッグクラブを渡り歩いてきた。
2019年にユベントスからマンチェスターシティへと移籍。
攻撃的なサイドバックとしての才能は世界有数で、ペップ・グアルディオラの戦術に「カンセロール」という名がつくほど重要な選手でもあった。
そんなカンセロがなぜ歴代ワーストの移籍となってしまったのか。
- 生年月日:1994年5月27日(30歳)
- 国籍:ポルトガル
- 身長:182cm
- 出身地:バレイロ(スペイン)
- 趣味:ファッション、タトゥー、プール
同選手は素晴らしい選手であると同時にワーストのデメリットがあった。
それはチームの「穴」になってしまうことだ。
攻撃についてはFWと変わらないほどのスキルを持つカンセロだが、守備についてはありえないほど軽く、マンチェスターシティがチャンピオンズリーグで優勝できなかったのは彼のせいではないかと思うほどだった。
その証拠にカンセロがバイエルン・ミュンヘンへとレンタル移籍をした2022-2023シーズンチャンピオンズリーグではマンチェスターシティが悲願の初優勝を果たしている。(2022年夏にハーランドが移籍してきたからという意見もあるが)
また、カンセロはバルセロナへのレンタル移籍についてインタビューされると「ペップの態度が悪かった」「クラブの雰囲気がおかしい」などマンチェスターシティに対してネガティブな発言をしたことからもサポーター、ファンからの印象が悪い。
歴代ワースト補強4.クラウディオ・ブラーボ(現レアル・ベティス所属)2016バルセロナから移籍加入
クラウディオ・ブラーボもまたペップに期待されていたのに残念な結果に終わった選手だ。彼はバルセロナからマンチェスターにやってきた選手で、ゴールキーパーとして新体制の戦術システムの重要な役割を担うはずだった。
- 生年月日:1983年4月13日(41歳)
- 国籍:スペイン
- 身長:183cm
- 出身地:ブイン(チリ)
- 趣味:ドローン
同選手は2024現在ラ・リーガのレアル・ベティスに所属するGKで41歳になる。チリ代表にも選出されており、実力は言うまでもないが彼には大きすぎるデメリットがあった。
ブラーボは被枠内シュートに対するセーブ率が著しく低いのである。これには当時SNS上で度々炎上。ペップから直々の指名でマンチェスターシティにやってきたのにも関わらず、あっという間にベンチになってしまった。
ペップのフットボールはバルセロナ、バイエルン、シティのいずれにおいても一貫してポゼッションを採用している。
このシステムの鍵はゴールキーパーの足元の技術であり、フィールドプレーヤーと同じようにビルドアップに参加するという特徴がある。
その点においてブラーボは非常に優れており、ペップシティの問題が解決されたかと思ったが、やはりゴールを簡単に決められてしまうとなると話にならないのだ。
これまで正ゴールキーパーを担ってきたイングランド元代表のハートに変わって躍進するはずだっただけにサポーターは落胆させた歴代最悪の移籍だ。
歴代ワースト補強5.ノリート(現役引退)2016セルタから移籍加入
ノリートという愛称で知られるマヌエル・アグード・デュラン。彼もまたペップに期待されていたのに歴代最悪の移籍になってしまった。
- 生年月日:1986年10月15日(37歳)
- 国籍:スペイン
- 身長:172cm
- 出身地:サンルーカル・デ・バラメーダ(スペイン)
- 趣味:ワイン
ノリートは元スペイン代表のフォワードで、スペイン北西部のビーゴを拠点とするサッカーチーム、セルタ・デ・ビーゴからマンチェスターシティに完全移籍した選手だ。
移籍金は1380万ポンド(日本円で20億円以上)と高額で、当初から4年契約を結ばれるほどマンチェスターシティのフロント、ペップからの期待値が高かった。
移籍して間もない時期は同じチームメイトのスペイン人選手ダビド・シルバの生活面のサポートもあり、好調に思えたノリート。
しかし彼もまたあっという間にベンチを温めることになる。
ペップはポゼッションサッカーを軸にフォーメーションを変え続けるという特徴があり、
これまでも「偽SB」「偽9番」などさまざまな戦術を生み出してきた。
そんな中、急な戦術変更によってノリートはペップの構想から外れてしまった。
これについてはノリートも気の毒に思える。これについて会見で「マンチェスターを出ていきたい」とも発言しているが、ここにノリートの問題点を読み取ることができる。
ノリートの経歴を見てみると、2010年のバルセロナ在籍時に「バルセロナにそこまで愛着がない」という理由で禁断のレアル・マドリー移籍願望を明かしておりファンからは痛烈な批判を浴びている。
また、シティ退団についてもいくつか噂があり、ペップとの不仲説やイングランドでの生活に不満があったなどの話がある。これらのことを踏まえるとやはりノリートにも問題があったと考えるべきだし、選手としてクラブのためにベストを尽くしてほしかったものだ。
おわりに
どんなに強いチームや組織にもいい時もあれば悪い時もある。
外野から見れば、難なく手にしたトロフィーに見えるかもしれないが、選手や監督、フロントにとっては計り知れないほどの努力がつまった結果である。
また、サッカーというスポーツは「文化」であり、国や地域によっても捉え方がさまざまだろう。
先に述べたフェラン・トーレスの「背番号事件」のような事案も日本ではそこまで大騒ぎにはならないかもしれないし、逆にカンセロのような「失言」に対して日本ではかなり厳しく追求されるかもしれない。
サッカーというコンテンツに今後も目が離せない。
マンチェスターシティって他にも失敗した補強ありそう
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