2004年はポルトガル対ギリシャの決勝戦。まさかの開催国が負ける事態に
2004年のユーロは現在、世界一の称号を得ているスーパースタークリスティアーノ・ロナウド
が代表として活躍しているポルトガルで開催された。
当時のポルトガルメンバーは現在よりも超豪華。
ルイス・フィーゴ
ルイ・コスタ
の黄金世代の2人に加え
クリスティアーノ・ロナウド
デコ
リカルド・カルバーリョ
などこの大会から台頭した新世代の選手が見事に融合。
開催国というアドバンテージもあり、誰もがポルトガルが優勝すると思っていたのだが・・・
決勝では堅い守りを構築したギリシャが相手だった。
ポルトガルは果敢に攻め込むも得点が最後まで奪えず、逆に一瞬のスキをついたギリシャに1点を決められそのまま試合は終了。
準々決勝、準決勝で得点を挙げていたロナウドやルイ・コスタは不発だった。
現代表のポルトガルとは違い、センタフォワードにもペドロ・パウレタや
ヌーノ・ゴメスなど実力のある選手がいた2004年のポルトガル。
開幕戦でもギリシャと戦っており、そこでも敗北を喫している。
ポルトガルが決勝で負けた後、ルイ・コスタは32才の若さで代表引退を決断。
このユーロからロナウドたち新世代へとポルトガル代表は世代交代が始まっていった。
ユーロ2008はオーストリアとスイスの共同開催で行われた大会
もうすぐグループステージが終わろうとしているEURO2016。
下馬評の低かったイタリアがあっさり首位突破を決めたり、
スペインがクロアチアに敗れて2位突破になったりと波乱もあるがここまで大きな驚きはない。
ただ、今回書くのは読者たちからの要望もあり、8年前のEURO2008の振り返りレビュー、そして前回大会の2012大会を書く。
ユーロ2008ではレアルのレジェンドラウールを外し、ビジャとトーレスの2トップが定着
この大会、優勝したのは無敵艦隊スペイン。
このころのスペインと言えば、国際大会のたび上位進出を期待されながら早期敗退というのがいつものパターンだった。
そんなチームを変えるための劇薬として時の指揮官ルイス・アラゴネスが行ったのが、
レアル・マドリーのレジェンドで主将だったラウール・ゴンザレス外し。
しかし、全盛期をとうに過ぎ、パスサッカーにフィットしていなかったが、
大事なところで点を取ってきたラウールを外したことにより、
スペインは攻撃力不足を叫ばれていた。さらに、国民のアラゴネスへの不満は高まる一方だったため、
大会が始まる前に大会後のアラゴネスの退任が発表された。
チームの外は雑音だらけでの本大会入りだったが、チーム内はポジティブだった。
理由は、EURO予選の第3節アウェーでのスウェーデン戦に0-2で負けて以来2年近く国際試合で黒星を喫していなかったからだ。
チームの主軸は、全盛期を迎えつつあったシャビ、
若きアンドレス・イニエスタと
ダビド・シルバと
セスク・ファブレガス(本大会ではジョーカー的役割だった)の
4人からなる“クアトロ・フゴーネス”(スペイン語で4人の魔術師の意)。
そして、Wエースとして2トップのコンビを組んだダビド・ビジャと
エル・ニーニョ(スペイン語で神の子の意)ことフェルナンド・トーレスの
2人のFW。その後のW杯、EURO2012の連覇、
更には現在まで主力を担い続けるメンバーが多く名を連ねている。
今のチームの基盤はこのとき築かれたといっていい。
2012年のユーロはスペインが連覇。イタリアとの決勝は4-0の大勝
ユーロ2008と2010南アフリカワールドカップで頂点になったスペインは連覇をかけ
2012ユーロ大会へと臨んだ。
前回優勝国のプレッシャーがあり、優勝はさすがに無理だろうと思っていたが
イタリアとの決勝では4発の快勝。
世界一とも評される堅守を見事にスペインの流動的なパスサッカーは破ってみせた。
特にこの大会で印象的だったのが左サイドバックのジョルディ・アルバで
効果的なオーバーラップで敵陣を切り裂いていた。
ジョルディ・アルバはこの大会後バレンシアからバルセロナに移籍している。
イタリアは途中交代したチアゴ・モッタが負傷。すでに交代枠を使っていたために10人で戦うことに
スペインが大勝できたのはイタリアに負傷者が続出し、10人で戦うことになったからである。
センターバックのキエッリーニが怪我で途中交代しチアゴ・モッタが投入される。
しかし試合前から少しももに違和感のあったモッタを当時のプランデッリは交代で入れてしまったのがそもそもの間違いで
不安は的中し交代からわずか4分でモッタも負傷しベンチへ。
すでにこの時点で3人の交代枠を使い切ってしまったイタリアは10人で戦うハメになりスペインの猛攻をしのげず大敗。
センタフォワードの人材がいなかった0トップのスペインにボコボコにされてしまった。
2016ユーロは予選から波乱。スペインはイタリアに負けベスト16。ウェールズの躍進。ポルトガルが悲願の初優勝
先日終わったユーロ2016は予選から波乱の幕開けだった。
16ヶ国から24ヶ国に出場国が増えた今大会では予選でまさかの優勝候補オランダが敗退。
またスペインもグループリーグをなんとか突破したものの
ベスト16でいきなり前回準優勝だったイタリアと当たってしまい、2-0で敗退。
初出場のウェールズはベスト4まで勝ち進む大金星。
そして決勝戦は開催国フランスと悲願の初優勝を狙うポルトガル。
フランスは調子がいいグリーズマンを筆頭に各選手が質の高いプレーをみせ、勝ち進んできた。
だが、ポルトガル相手には1ゴールも奪えず、延長戦の1ゴールに泣き、優勝を逃す。
ポルトガルはこれで2004年の雪辱を果たし、悲願の国際タイトルを勝ち取った。
ルイ・コスタやルイス・フィーゴの黄金世代でもタイトルを取れなかったポルトガル。
ロナウドという化け物選手がいたもののワールドクラスのセンターフォワードを擁していなかったが見事に優勝を果たした。
クリスティアーノ・ロナウドはユーロのタイトルを取り、兄のウーゴをはじめ家族も歓喜
ロナウドはプラティニの持つユーロ本戦の歴代最高得点の9ゴールに並び、予選を含めたゴール数はユーロ歴代トップとなった。
さらに2004年から4大会連続で得点とワールドカップと違い、ユーロでは記録を更新し続けている。
クリスティアーノ・ロナウドにはほんとに頭が下がる。
ブラジルワールドカップでは足のケガがありながら強行出場し、その年のシーズンではリーガでは驚異的なゴール数を記録。
選手生命さえ危ぶまれたが見事に復活し、前のシーズンでもレアルをチャンピオンズリーグ優勝に導くなど
世界最高の選手として100点満点以上の結果を残し
さらに黄金世代さえ成し遂げられなかった悲願のユーロのタイトルを母国にもたらした。
ロナウド本人も喜んでいるだろうが、
彼を長年支えロナウドがプレー中に倒される度に不安そうな顔をする母親、
そして50代の若さでロナウドがレアルに移籍する前に亡くなった天国にいる父親、
さらにロナウドの博物館の管理を任され、働きながら幼いロナウドを支えた兄のウーゴが
彼以上にこの結果を喜んでいるのは間違いない。
次の2020年にはさすがに年齢的に考えてロナウドはでないだろうが
各国の新世代の選手達がどう躍動するのか。まだ4年もあるが非常に楽しみである。
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