岡崎慎司は中田英寿に並ぶ実績をもつ日本人FWの一人
岡崎慎司という選手はおそらく日本歴代の中でも最高のFWの一人なのではないかと思う。
レスターシティに移籍した最初のシーズンでプレミアリーグを制覇。
しかもチームの中心選手として多大なる貢献をした。
欧州の実績でいえばあの中田英寿と並ぶ実績を彼は持っているといえる。
しかし岡崎慎司という男はぶっちゃけ地味。
本田や香川、今の代表でいうところの南野や久保といったスター性はなく
日本のメディアは彼を優先して取り上げることはしない。
だが岡崎はどの代表選手よりも賢く、実はストイック。
同じ環境にいることを良しとせず、それに関しては本田以上かもしれない。
そんな岡崎が出した自伝「岡崎慎司悩む男。」より
いくつかの言葉を抜粋し彼のことを紹介したいと思う。
最初から認められている場所でプレーすることに僕は魅力を感じない
岡崎慎司は最初の欧州の挑戦となったシュツットガルトで
出場機会が得られず、苦しんでいた。
結果3シーズン過ごした後、マインツへと移籍。そこで2シーズン連続で二桁ゴールを
達成するという快挙を達成する。
シュツットガルトで彼は出場機会がなくともその苦しさをバネに成長し
その後の結果につなげた。岡崎は1、2年は苦しくてもそのクラブでもがくべきと著書でも語っている。
この言葉はまさに彼の行動そのものである。
30歳を前にしてブンデスリーガからプレミアリーグへの挑戦を決めたのも
この言葉通りだったのだろう。
まずは結果。そこからは逃げられない
日本代表でも通算100試合を達成している岡崎慎司。
クラブ、代表共に常に結果をだしてきた男は当然のごとく結果にこだわっていた。
と思ったがそうではなく、結果だけでなく
そこに至るまでの内容が重要だということを著書で記している。
結果だけが評価ではないと岡崎は言っている。
しかし彼は「結果は残酷だ。それが競争社会のルール」とも語っており、
世の中が結果論で成り立っているとも十分に理解している。
しかし結果だけにおぼれず、内容までこだわることで
欧州のトップレベルの競争に勝ってきた。本当に賢い選手だなと思う。
だから僕は思う。期待するのは自分にだけでよいと
レスターシティで奇跡の優勝を成し遂げた岡崎も
その1年後にはクラブ、そして代表での立ち位置を失っている。
レスターでは新監督が就任し、その監督は若いグレイという選手を
積極的に起用。岡崎も監督に対してチームのその先を考えれば
自身を起用しないことに理解できると納得しつつも
自身の献身的なプレーをこなしつつ得点を決めるという作業の
その先を監督はみていないとも著書で語っている。
また岡崎自身、不満については競争を生き抜くためのエネルギーという
捉え方をしており、ネガティブな表現はしてない。
ただ、どうしても監督に依存しまいと頑張っても不満は生まれると岡崎は語っている。
不満とどう向き合うか?彼が出した結論は「周りに期待しないこと」だった。
それをやることによって、不満の渦中から抜け出し気持ちを整理できたという。
サッカー選手だけでなく、普通の社会人でも周囲に期待されたいと想いを抱く人がいると思う。
しかしそれに依存してしまえば不満となり、やがては今の自分の現状を他人のせいにするかもしれない。
そうなったら成長はできないと岡崎は語っている。
環境や上司に不満を抱いたとしても解決できるのは自分だけ。
これは実社会で生きるすべての人間に当てはまることだろう。
その年齢で?という感じになってからJリーグに復帰したい
岡崎慎司は現在34歳。昨シーズン鳥栖のフェルナンド・トーレスが
35歳で引退したとなれば、同じFWである岡崎のキャリアももう残り少ない。
だが、彼は新天地スペインでもがき、頑張っている。
宇佐美貴史や酒井高徳のようにヨーロッパで実績を残した選手が
Jリーグに復帰するケースも珍しくない中、
彼は小規模のクラブだとしても欧州にこだわる。
ロシアワールドカップ前にこの本は出版されたが
当時の岡崎はこう語っている。
「ヨーロッパでは厳しくても、Jリーグでなら、活躍できるだろう」と言われるなかで、日本へ戻るのは面白くない。
岡崎慎司 悩む男。より引用
彼は今バリバリでやっているときに戻るのは挑戦ではないとし、
拒んでいる。
挑戦者岡崎にとって、Jリーグ復帰は守りではなく、挑戦なのだ。
岡崎はもう終わったな…と言われるなか、それを覆すのが
ロマン
と言っているのだからどこまでストイックなんだと思う。
いい意味で日本人からしてみたら彼は病気なのかもしれない。
ウエスカをリーガ昇格に導く活躍。そしてバルセロナやレアル相手にゴールを決める野心を持つ
昨シーズン岡崎慎司はチームがコロナウイルスで大変な中、リーガ昇格に導く
活躍をみせ、現在リーガで先発を重ねている。
昨シーズンのゴール数は12ゴールであったが、
ウエスカのチームメイト、ミケル・リコは
「VARで7,8ゴールも取り消されたから、20ゴールくらい決めてもおかしくなかった」
と語っている。
リーガは久保建英がベンチに座らされるという厳しいリーグであり、
ビジャレアルとウエスカではクラブレベルで差があるものの
リーグ自体の厳しさはどのチームも平等だ。
彼のプレースタイルである、ダイビングヘッド、裏への抜け出しは
日々磨かれ、ベテランとなった今、それは日本人鬼門とされる
リーガで通用することが証明されようとしている。
ダゾーンのインタビューで、岡崎は今シーズン
「レアル(ベルナベウ)やバルサ(カンプノウ)相手にゴールを決めたい」と語っており、その野心は尽きない。
もし40歳くらいになり地方のクラブでひっそりと岡崎がまだプレーしていたら
そのときはうちで是非取材させてほしいと思う。
次のカタールワールドカップで年齢的にみれば選ばれるのが難しい岡崎だが
ミラクルで選ばれることを期待せずにはいられない。
新品価格 |
コメント