先日行われたキリンチャレンジカップ。
ロシアW杯のグループリーグの対戦相手であるセネガルとポーランドを想定した
マリ、ウクライナと対戦した日本代表でしたが、
1分1敗と見るも無残な結果に終わりました。
原因は多く挙げられる中、キリンチャレンジカップには招集されませんでしたが、
かつての主力でトップリーグで活躍している香川や岡崎といった選手が
本来のパフォーマンスが発揮できていないのも原因の一つでしょう。
では、香川や岡崎がトップパフォーマンスを発揮できない原因や、
発揮するためにはどうすればいいのか。私の見解を書いていくので最後までご覧ください。
香川、岡崎の日本代表での不調の原因はあるポジションの人材不足が原因?
セントラルミッドフィルダーに求められる能力とは
現状の日本代表で十分な出場機会を得られていない香川と岡崎。
海外のトップリーグでプレーしているのになぜ?と思う方も多いでしょう。
その理由として私が考える原因は日本代表におけるあるポジションの人材不足です。
そのポジションとはセントラルミッドフィルダーです。
名前の通り布陣の真ん中でプレーするMFの事をそう言います。
そんなセントラルミッドフィルダーに求められる能力とは以下の5つです。
1.相手からボールを奪う、ボール奪取能力
2.守備時に自陣の危険なスペースを埋める危機察知能力、ポジショニングセンス
3.マイボールを確実に繋ぎ、攻撃のリズムをつくる、または前線に供給するパス能力
4.ドリブルでボールを前に運び、チーム全体を押し上げる能力
5.前線やスペースに飛び込み、攻撃に厚みをもたらし、ミドルシュートで得点を狙う攻撃力
それぞれ解説していきます。
1.相手からボールを奪う能力
攻撃はここから始まります。1対1で相手からボールを確実に奪い、または相手のパスをカットして自分たちのボールにすることです。
決してフィジカルが強いから、足が長いからボール奪取が上手いとは限りません。足を出すタイミングや鋭い読みが重要となります。
今の日本代表ですと山口蛍や井手口陽介、海外のプレイヤーだと、チェルシーのエンゴロ・カンテが得意です。
2.守備時に自陣の危険なスペースを埋める危機察知能力、ポジショニングセンス
サッカーは敵のいないところにボールを送り込みチャンスを演出します。
自陣のゴールの近くで敵チームの選手が空いたスペースに入ってきたり、
ボールを持つことは、失点に直結しかねません。
時々「ギャップをつく」とか「バイタルエリアにボールを入れる」というような表現をしますが。
危険なスペースを使われないために、素早くそのスペースを埋めないといけません。
このプレーが得意なのが日本代表の長谷部誠や、レアル・マドリーのカゼミーロが挙げられます。
3.マイボールを確実に繋ぎ、攻撃のリズムをつくる、または前線に供給するパス能力
もちろんサッカーは攻めないと勝てませんが、その攻めの第一歩となるのがセントラルミッドフィルダーです。パスを小気味よく回して攻撃のリズムを作ったり、前線の選手や前述した相手陣内のスペースにボールを送り込みチャンスを演出します。
このプレーが得意なのが日本代表だと遠藤保仁で、海外の選手だと元イタリア代表のアンドレア・ピルロです。
4.ドリブルでボールを前に運び、チーム全体を押し上げる能力
ドリブルにも複数あります。通常イメージするのはスピードとテクニックで敵陣の狭いスペース突破していくドリブルだと思いますが、セントラルミッドフィルダーで重要なのはボールを前に運ぶドリブルです。
少しでもドリブルで持ち上がることで、味方に動き出す時間を与えたり、相手選手を引き出して味方をフリーにすることができます。また、このドリブルの際に奪われると決定的なピンチを迎える確率が高いため、ボールを奪われないテクニックも重要になります。
このプレーが得意な代表的な選手が、レアル・マドリーのルカ・モドリッチです。
5.前線やスペースに飛び込み、攻撃に厚みをもたらし、又はミドルシュートで得点を狙う攻撃力
この能力は自チームの攻撃のバリエーションをもたらし、得点チャンスを増やす上で非常に重要な能力です。
セントラルミッドフィルダーが前線に飛び込んでくることにより、
敵チームの守備陣からすると前線のフォワードだけでなく、
飛び込んでくる選手もマークしなければならない為、
マークが混乱したり分散することにより味方フォワードがフリーになったりします。
特に後ろから飛び込む選手を敵が捕まえきれず飛び込んでくる選手自身がフリーになり、
得点確率が上がります。
また、ミドルシュートで遠くから得点を狙う能力も求められます。
ミドルシュートを打つことで、敵守備陣を引っ張り出すこともでき、
ミドルシュートを警戒させることパスという選択肢も生きてきます。
飛び出しが得意な代表的な選手がナポリのマレク・ハムシク、
ミドルシュートが得意な代表的選手はマンチェスターユナイテッドのポール・ポグバが挙げられます。
以上セントラルミッドフィルダーの5つの要因を挙げましたが、
全て兼ね備えている選手は世界を探してもほとんど存在せず、
この能力の内2つまたは3つを持ち合わせている選手が多いのが現実です。
ではこの5つのどの能力を備えたセントラルミッドフィルダーが
今の日本代表に必要なのか?また、
そのセントラルミッドフィルダーが香川と岡崎の出場にどう影響するのか?
それをこれから紐解いていきます。
ボール奪取力とパスセンスがある選手がいることで、香川と岡崎が復活する?
日本代表に求められているセントラルミッドフィルダーの能力として必要なのは
前述の1と3のボール奪取能力とパスセンスです。
先述した香川、岡崎が一番輝ける場所はやはり、香川はトップ下、岡崎はツートップの一角になります。
しかし、現状の日本代表は4-1-4-1や4-3-3の布陣の場合は3人のセントラルミッドフィルダーを配置しているため、
前線に2人置く余裕はなく、どうしてもワントップという選択肢を取らざるを得なくなってしまうのが現状です。
また、トップ下を置く場合もボランチが2人になるので、その分ボランチの選手に高い能力が求められます。
香川や岡崎を起用するためにも有能なセントラルミッドフィルダーは必須項目になるのは明白でしょう。
救世主候補は川崎フロンターレの10番・大島僚太
セントラルミッドフィルダーの位置で上記の2つの能力を発揮できる選手がいれば、
香川も岡崎も使うことができるはずです。さらに守備にも攻撃においても幅が広がるでしょう。
そうすれば、ワールドカップのグループリーグを突破する救世主となると言えます。
私が考えるその救世主となり得る選手は川崎フロンターレの10番を背負う大島遼太です。
今、川崎フロンターレの超攻撃サッカーを支えている大島は、
憧れの選手がアンドレア・ピルロと言うだけあり、小気味いいパス出しでリズムをつくり、数々の得点を演出。
アシストだけでなく攻撃を組み立てる能力も高い選手です。
また、攻撃面だけでなくボールを奪われた瞬間に
素早く相手のボールホルダーにプレッシャーを掛け、奪い返すこともできます。
まさに日本代表が求めているタイプです。
もしかすると大島こそが日本代表の救世主となり得る選手かもしれません。
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