67日という歴代のイングランド代表監督で最短の任期
サム・アラダイスが歴代のイングランド代表監督で史上最短の任期となる就任からわずか67日で双方の合意による契約解除となった。
契約解除までの経緯より先に、まずはこれまでのアラダイスの略歴を振り返ろう。
サム・アラダイスとは
アラダイスは1954年生まれの61歳。通称”ビッグサム”。
イングランド生まれで現役時代はボルトン・ワンダラーズFC(イングランド)でセンターバックとして活躍した。
その後、イングランド、アメリカのクラブを転々として1992年に現役を引退し、いくつかのクラブで監督経験を積んだ後、古巣のボルトンの監督に就任。
ボルトンをディビジョン1(2部)からプレミアリーグで6位になり、UEFAカップ(現在のUEFAヨーロッパリーグ)に出場するまでに押し上げた。
その後、いくつかのクラブで監督を務め、2016年7月に前監督ロイ・ホジソンの後任としてイングランド代表監督に就任した。
厳しいタックルでボールを奪い、ロングボールを多用するというフィジカルを重視した戦術を使う。
また、不振にあえぐ選手を安価で獲得し、活躍させるなど手腕は確かである。
アラダイスはおとり取材にて不適切な発言をしたためFAがイングランド代表監督を解任
なぜ、アラダイスは解任されたか。それは不祥事が発覚したためである。
不祥事とは英国紙「Telegraph」の記者によるおとり取材によって発覚した。
アラダイスはアジア企業のビジネスマンに扮した記者に気づかずにいくつかの不適切な発言をしてしまったのである。
その不適切な発言は以下の通りである。
・アラダイスはイングランドで禁止されている選手の第三者保有を「逃れる方法はある」と言い、40万ポンド(約5300万円)の取引にサインした。
・前監督であるロイ・ホジソンのことを「彼はあまりに優柔不断だった」と、こき下ろす発言をした。
・FA(イングランドサッカー協会)を批判する発言をした。
※第三者保有とは・・・選手の保有権をクラブだけでなく、投資ファンドも一部持つこと。
投資ファンドが保有権を持つと、選手の移籍金がクラブだけでなく投資ファンドにも入ってしまう。
この発言が報じられFAは「Telegraph」に完全な映像の提供を要求。
その後FAが調査を行い、後日アラダイスとFAが会談し、双方の合意で契約解除という結果に至ったのである。
任期中に指揮を執った試合はわずか1試合。スロバキア相手に1-0で勝利していたため、勝率100%での解任となった。
U-21監督のサウスゲートが暫定監督に就任。ブラジルワールドカップ、ユーロ2016で結果を残してないチームを立て直せるのはアーセナルのベンゲルクラス?
ブラジル・ワールドカップでは未勝利でグループステージ敗退、
EUROではベスト16で敗退と結果が残せていない中、新監督の不祥事が発覚したイングランド。
ラッシュフォード、ハリーケインと期待の若手が多くいる中での監督の不祥事は痛手である。
暫定監督としてU-21代表のサウスゲート監督が代行で指揮を執り、後任監督を探すということで、次の監督には結果も残せてクリーンな監督が求められる。
アーセナルのベンゲルなどが候補にあがっているが、本人が「自分がフリーなら」と話しており
クラブの監督を辞任か解任されなければ早急に後任というのは難しいようだ。
なおベンゲル監督は契約を更新しなければ来夏でフリーとなるためまだ完全に無理ではないが・・・
実力もあってカリスマ性ある監督でないとイングランド代表監督は務まらない。果たして誰になるのか?
ヨーロッパ予選も始まっただけにその動向に注目したい。
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