名門マリノスからまさかの俊輔移籍!横浜F・マリノスをJ2に落としかねないチームを牛耳る【CFJ】とは?

Jリーグ
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チームを最も愛していた選手のジュビロ磐田への移籍

1月8日。Jリーグに衝撃が走った。

夕方3時、ジュビロ磐田が元日本代表MFの中村俊輔の獲得を発表。

遅れること2分、横浜・F・マリノスも稀代のファンタジスタの退団を発表した。

マリノスにリーグ終了直後から主力選手の一斉退団の噂はあり、

その中に俊輔の名前があったのは事実だ。



しかし、Jリーグではマリノス以外に俊輔が移籍を決断するとは誰も思わなかったはずだ。

2010年のJリーグ開幕直前にリーガ・エスパニョーラのエスパニョールからJに復帰した際も

多くのクラブからオファーを受けながら迷わずマリノス移籍を決断していた。

2013年に最終節で負け、サンフレッチェ広島に逆転優勝を許した時には、

悲しみと過度の燃え尽きから電撃引退するのではとも言われた。

それでも、横浜でリーグ優勝したいと生涯トリコロール宣言とも取れる発言をするなどし現役続行。

サポーターも「俊輔とリーグ優勝」を合言葉に声援を送り続けた。

しかし、ここ3年はチーム成績は右肩下がりで俊輔自身も怪我などで個人成績も落ちていた。

それでも、ここぞの場面で決めるフリーキックやハードワークなどピッチの中で目に見える貢献以外にも、

主将として経営陣に選手の代表として意見を言うなど1人の選手以上の働きを見せていた。

さらに、少し意地悪な言い方をすれば、チームの広告塔としても重要だった。

ユニフォームの売り上げはチーム1で名前で客を呼べる数少ない選手の1人だった。

ここ数年の財政悪化で主力選手を毎シーズン放出していたマリノスにとって俊輔は、

財政面、スポーツ面の両面で欠かすことにできない選手だった。

 

小林祐三、兵藤慎剛、榎本哲也、中村俊輔以外にも次々と功労者たちがマリノスを退団

そんな絶対に手放せない選手を手放さなければならないほどマリノスは、混乱している。

俊輔以外にも、この冬は

不動の右SBの小林祐三、

中盤のマルチプレーヤー兵藤慎剛、

ジュニア時代からマリノス1筋の守護神榎本哲也、

CBのレギュラーだったブラジル人DFファビオの

4選手を放出。

これ以外にもあるが割愛させてもらう。

また、長年チームを支えてきた元日本代表DF中澤佑二や低空飛行を続けるチームで一人気を吐き、

ベストイレブンにも選出された日本代表MF齋藤学にも退団の噂が絶えない。

マリノスは、タイトル獲得を目指すことを求められる名門。

親会社も日産自動車と日本トップクラスの大企業だ。

なぜ、そんなチームで主力の大量離脱が起きているのか。いくつか要因はあるが、

根本は財政悪化だ。マリノスは、近年タイトルやリーグ順位、

観客動員に対して高額な年俸の選手が多すぎると言われてきていた。

今季のチームはJ1の中で総年俸の順位は、ガンバ、浦和、FC東京に次ぐ4位だ。

2位の川崎や高額な外国籍選手が多いイメージの

大宮、神戸、CWC準優勝の快挙を果たした鹿島よりも上だ。

しかし、リーグの順位では彼らの足元にも及ばない。

年俸に見合った活躍をしていない選手が多いということだ。

 

不調の要因はチームを牛耳るマンチェスターシティのシティグループ

ただ、マリノスのメンバーを見ると決して悪いメンバーではない。

ということは、監督や強化部に問題を抱えているということになる。

そもそも、今のマリノスは極めて複雑な内部構造をしている。

社長は、筆頭株主であり、

親会社の日産自動車から出向している長谷川亨氏(1月15日付で退任。後任は古川宏一氏)が務めている。

しかし、チーム統括本部長という実質強化部の顧問職には、

2014年から「グローバルサッカーパートナーシップ」というものを結んでいる

第2株主のシティ・フットボール・グループ(CFG)の

日本法人シティ・フットボール・ジャパン(CFJ)の社長である利重孝夫氏が務めている。

この人物は、ヴェルディユース出身でプロにはなれなかったものの、

その後楽天で取締役などを歴任したのち、

ヴィッセル神戸の運営会社クリムゾンフットボールの取締役なども歴任している人物だ。

また、楽天時代にFCバルセロナと仕事をしていたことがあり、

当時のバルサのCEOが今のマンチェスター・シティのCEOのフェラン・ソリアーノであるため、

その関係からCFJの社長に就任した。

前置きが長くなったが、この、社長は日産の人、

補強を含むチームの実権はCFJが握っているというねじれが

チーム内のゴタゴタを引き起こしている。

つまり、日産はお金だけ出し、CFJに好き勝手されているということだ。

 

世代別ブラジル代表10番アデミウソンの加入。当初は好意的に捉えられていたが…

CFJとパートナーシップを結んだ当初は、好意的に捉える声が多かった。

世界屈指の規模を誇るシティのスカウティングリストを共有でき、

とりわけ外国籍選手の補強で有利に立てるのではという見方も多かった。

しかも、債務が膨れ続けて破綻寸前と言われていた財政改善にも、一役買ったため、

なおさらだ。その一方で、

徐々に保有株式を増やしていきチームを乗っ取るつもりなのではという声や

マンチェスター・シティの若手のレンタル先にするのでは?という声、

他チームの若手有望選手を実験的に見る場にされるのではという声もあった。

今の所、保有株を拡大する気配はなどはないが、確実に乗っ取られている。

利重氏自身はCFJの社長就任当初から「乗っ取るつもりなど全くない」と

メディアや講演会などを通して語っていたが全くの嘘だ。

確かに、契約締結直後は、監督選考も100人ほどのCFGのリストの中から予算や志向するサッカー、

実績などあらゆる側面から絞込みエリク・モンバエルツを招聘し、

補強も世代別ブラジル代表の10番だったアデミウソンをサンパウロからレンタルで獲得。

ヨーロッパのクラブも興味を示していた逸材だけに久々に大物がJリーグに来たとサポーターも湧いた。

しかし、アデミウソンはフィットに時間が掛かり、

監督のサッカーを選手が理解するのにも時間がかかったため、

リーグ7位に。

すると、シーズン終了後にアデミウソンを返却(その後ガンバに移籍)。

これは、アデミウソン自身がCFGを納得させられる

パフォーマンスを見せられなかったため買い取らずに出したという話もある。

つまりは、大活躍していればそのままマンチェスター・シティに

籍を移していた可能性が高いいうことだ。

ここでも、危惧されていたことが起きていた。

 

日産が独自で動き獲得したカイケはSNSで問題行動・・日本代表斎藤学も流出か。

すると、昨年オフはアデミウソンの代わりの前線の補強を行わないと理解不能な行動をとる。

沖縄キャンプの時点では、ラフィーニャがおり調子も良かったため必要なかったかもしれない。

しかし、そのキャンプ中の練習試合でラフィーニャが右ひざ前十字靭帯断裂の大怪我を負い

ほぼシーズン中の復帰が絶望となってしまった。

普通なら、補強をする。

しかし、CFJは動こうとしなかったため、

日産側の人が独断で動き、代理人の売り込みもあった

ブラジル人FWカイケをフラメンゴから獲得。

年俸1億円以上の条件で獲得した期待のストライカーだったが、この補強は全く吉と出ず。

ピッチで結果を出せないだけでなく、

練習遅刻や欠場した試合中に遊びに行っている写真をSNSに投稿するなど問題行動連発。

シーズン終了前にチーム追放を通告される始末だった。

しかも、この補強はチーム内に権力抗争を巻き起こした。

CFJは、自身たちのチーム構成などをを正当化するために、

近年で最低な結果に終わったにもかかわらず、

モンバエルツ監督を留任。

するとサポーターや選手から不満が噴出。

さらに、このオフには、小林に戦力外通告、中澤、栗原、榎本らの功労者たちに

大幅な減額提示やコーチ兼任という戦力外通告と取られてもおかしくない条件を提示し、

批判が殺到。

榎本は、フリーで浦和に移籍、

栗原は残留したが、中澤はまだ契約延長にサインしていない。

さらに、エース齋藤は、フロンターレか海外移籍が濃厚となっており、

まさに崩壊寸前だ。

俊輔自身も「今のマリノスではサッカー以外のことに振り回されすぎてサッカーを純粋に楽しめない」

と言って退団した。内部の権力抗争が俊輔退団というという最悪の結果を生み出してしまったということだ。

 

マリノスタウンも手放し、公園をプロの練習場に。今後マリノスはJ2という奈落に向かっていくのか?

今後、マリノスはどうなるのか。

社長の長谷川氏は、俊輔の退団の責任を取ってなのか、

1月15日付で退任するなどまだまだ混乱は続きそうだ。

強引な若返りを続行するのか、また、練習場の問題もある。

マリノスは、2015年までみなとみらい地区にマリノスタウンという日本1の練習場を保有していたが、

土地の借用契約の満了と年6億円の借用料の高さからマリノスタウンを手放すという

サッカー関係者なら信じられないことをしている。

2016年からは、日産フィールド小机と新横浜公園競技場のどちらかを使うという

J1の名門としては信じられない練習環境に置かれている。

バルサの練習場をモデルに作られた専用の施設から街の誰でもお金を払えば使える施設へ。

選手たちが困惑するのも当然である。

中澤などは、当初から不満を見せており、俊輔は主将として選手を代表し、

社長などに練習環境の改善を訴え続けた。

しかし、その要望は聞き入れてもらえる様子はない

(俊輔自身は、移籍会見の場で社長には親身になって聞いてもらえたと語ったが)。

こんな環境では、優秀な選手は集まらないだろう。若返りを図っても、

若手ばかりでは勢い任せのチームになり安定感を欠き、

名を上げた選手は環境の悪さなどから、簡単に移籍してしまうだろう。

俊輔の退団発表時にクラブは、愛されるクラブ作りを目指すと語った。

しかし、選手に愛されないクラブがサポーターに愛されるわけがない。

マリノスはいるべき場所にあるべき姿で戻ることができるのか。

それとも、CFJに振り回され続けてJ2という奈落の底に堕ちていくのか。

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