ワールドカップアジア2次予選シンガポールはカンボジアに4点取っている
勝って当たり前の相手からホームでたった3点しか奪えない、フラストレーションの溜まる試合だったね。6月にシンガポールが、カンボジア相手にアウェーで4点を取っていることを考えても、素直に喜べない勝利だ。
【セルジオ越後の天国と地獄】ホームでたったの3点。今の日本からはやりたいことが見えてこない | サッカーダイジェストWebサッカーダイジェスト、ワールドサッカーダイジェスト、高校サッカーダイジェストの取材力を結集!海外ビッグクラブからJリーグ、ワールドカップまで。サッカーファンにクオリティーの高いニュース・コラムを毎日届けます。
上の動画はウイニングイレブンのようなリアルなサッカーゲームではない。
正真正銘、現実のサッカーの試合、ワールドカップアジア2次予選のシンガポール対カンボジアの試合映像である。
日本が3点しか取れなかった相手に、シンガポールは4点を取っているのだ。結果だけをみれば先日日本と引き分けたシンガポールのほうが上だということになる。
セルジオさんが素直に喜べない試合と言っているが、私も同じことを感じている。
この試合での日本代表の勝利はたしかに嬉しいが、反面なにか危機感を抱いたそんな試合でもあった。
ライバル韓国はソンフンミンの大活躍で格下ラオス相手に8ゴール
ライバル韓国はラオスに8-0で快勝しており、格下相手に圧倒的な勝利を収めている。
トッテナムに今夏移籍したソンフンミンがハットトリック、こちらは代表のエースが大車輪の活躍をみせた。
ちなみにラオスのFIFAランクはカンボジアよりちょっと上の174位である。
果たして日本がラオスと仮に試合をした場合、8点取れるだろうか?
香川真司は日本に帰ってくるとドルトムントの香川ではなくなる
香川も1点を取ったとはいえ、ゴールを決めるべきシーンで決められなかった。ドルトムントではあれだけ輝いているのに、なぜ日本に帰ってくると、いつも決まって同じようにプレーできないんだろう。ドイツでは周囲の選手に上手く活かしてもらって、日本代表では活かしてもらっていないということなのかな。
香川がCKを蹴るという状況も改善すべき点だ。ワールドカップ予選のような舞台では、時にセットプレーが勝負を左右する。彼のキック精度では、正直心許ないよ。
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韓国のエースがハットトリックをした一方で日本代表のエースは決定機を外しまくり、この試合では僅かに1ゴール。
所属先のドルトムントではカンボジア以上のチームからゴールを奪っているのに、
代表ではいつもの調子ではなかったのか、ピッチにいたのはマンチェスターユナイテッドにいた頃のスランプ状態の香川だった。
それにセルジオさんが言うようにコーナーキックの質は決して高くはなかった。あれではセットプレーから強豪相手に点を取ることはまず不可能だろう。
本田圭佑、吉田麻也、香川ら海外組はコンディション不良だった
彼はこの試合に臨むにあたり、招集した選手のコンディションを見極めて起用するようなことを言っていたけれど、結局スタメンの11人中8人を欧州組が占めていた。ヨーロッパのシーズンが開幕したばかりで、長距離移動と時差で疲労を溜め込んでいるのに、だ。カンボジア相手に彼らの技術と経験に頼らざるを得ないほど、ハリルホジッチ監督は追い込まれていたのだろう。
でも、本田は前半こそ目立っていたけど後半はほとんど歩いていたし、岡崎だってプレーにいつものキレがなかった。彼らは明らかに疲れていたんだ。8月の東アジアカップの時、ギリギリのスケジュールを嘆き、Jリーグの日程に噛み付いていたのは誰だったかな?
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香川真司のプレーも悪かったが、エースストライカーであるレスターシティの岡崎慎司もこの日はノーゴールに終わっている。
暑さのせいか、長距離の移動のせいかは分からないが、この日の試合ではいつもの存在感がなかった。
岡崎よりもマインツの武藤嘉紀、交代したガンバの宇佐美貴史のほうが、存在感を放っていた気がする。
しかしキーパーが後半、足をつっていたのにも関わらず、途中交代した選手がゴールを決めていないのも問題で、宇佐美貴史や興梠慎三、ヘルタの原口が決して良かったとはいえない。
ただコンディション不良ながらワールドクラスの先制ゴールを決めたACミランの本田はすごいなと思った。ああいったチーム全員が焦っている中で、決められるのは本田だけだった。
呼ばれたのはゴールを決めてない宇佐美、ゴールを決めている浦和の武藤は選外
果たして、試合の流れを劇的に変えるようなジョーカーは、日本のベンチに座っていたのか? 1か月以上もゴールを奪っていない宇佐美が今回も呼ばれて、東アジアカップで2ゴールを決めた浦和の武藤雄樹が呼ばれていないのが、僕は不思議でならない。
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この意見には私も共感できる。東アジアカップで結果をだしていない宇佐美や永井が呼ばれてなぜ結果を出した浦和の武藤は選外なのか?
それに交代した選手もジョーカーという感じの怖さがなく、宇佐美貴史はたしかにドリブルのキレが良く相手の守備陣を翻弄してはいたが、最後のフィニッシュに精度を欠いていた。
もう少し、シュート精度を上げないとワールドカップのような世界で戦うのは難しい。
ハリルジャパン、ハリルホジッチのサッカーとは?
結局、今回のカンボジア戦を見ても、「ハリルホジッチ監督のサッカー」がどんなものなのかが、伝わってこない。彼はこのチームで、どういうサッカーをしたいのか。縦に速いわけでもなく、いつも同じリズムで横パスを回しているだけ。相手が自陣深くで待ち構えているところに、工夫もなくボールを入れては弾き返される。
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たしかにシンガポール戦に比べ、縦パスの本数が減っていた印象だ。ただこの試合ではサイドを使っての攻撃が活性化しており、数多くのチャンスをサイドを使って作っていた。
しかしサイドを使いつつ、縦に早い攻撃を両立させようとするハリルホジッチのサッカーが少しは見えてきたもののそれをピッチ上で表現できる演出家がいなかった。
遠藤保仁、中村俊輔、中村憲剛などのゲームメーカーが不在で、単調な攻撃になっていたという印象だ。
長谷部と山口のダブルボランチの意図もよくわからず、守備的なタイプの2人を組ませて攻撃が活性化するのかは疑問であり、柴崎をベンチに置いていたのが謎だった。
そろそろ自分たちのスタイルを確率しないと、日本代表はアジア予選突破が困難になる可能性がある。
次の9月8日のアフガニスタンとのアウェーでの試合では、これがハリル流だ!というサッカーをみせてほしい。
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